こんにちは。
この記事では、PassMark SoftwareのCPU処理性能評価結果の数字が2020年3月に激変したことについて調べたことを書いています。
CPU処理性能比較サイト PassMark SoftwareのCPU性能の数字が2020年3月に変わってしまった理由
いつも、パソコンの処理性能を推測するのに使っていたCPU処理性能比較サイト PassMark Softwareの結果の数字が大きく変わってびっくりしました。
調べてみると、性能チェックのソフトウェアを新しくしたとのこと。CPUやソフトウェアには新しい技術がどんどん入ってきてるので、そういった新しい機能を使った計測ソフトウェアで計測し直したとのことです。
PassMark Softwareのフォーラムに評価結果の数字がかわった理由が書いてありました
↓のリンクがPassMarkの中の人の解説が書いてあるページです。フォーラムでの質疑応答ですね。
ちなみにCPUの性能評価一覧のページは↓です。上から処理性能が高い順になってます。
今までのバージョン9で計測したCPU性能評価の結果も↓のURLに載っています。
処理性能の評価結果が変わった理由
上で紹介したフォーラムによりますと、処理性能を計測するソフトウェア(PerformanceTest)をバージョン9からバージョン10に挙げたのが数字が変わった理由とのことです。
最近20年でも類を見ないぐらい大きな修正となっているとのことです。今まではほとんど変わらなかったんですね。だからこそ安定して使えていたのですが・・・
バージョン10の変更内容
計測ソフトのバージョン10は劇的な変化があって、次のような変更項目が含まれています。
- 最新のCPUで新しいCPU命令が使えるときは使って計算する(AVX512とか)
- コンパイル(機械語に翻訳)するのに、より多く最適化できる最新のコンパイラを使った(Visual Studio 2019)
- 新しいCPUについている「順番入れ替え実行」をサポートするようにした
- 新しいサードパーティライブラリを使うようにした(GZipとかCrypto++とか)
- いくつかバグ修正した(変数のアラインメント問題とか最適化フラグとか)
- いくつか時代に合わせてテスト内容をリライトした(最近使われないTwoFish暗号から楕円曲線暗号に変更とか)
- CPUにデータを流すアルゴリズムを改善した。そのためキャッシュが少ない古いCPUでは処理性能が下がる。
新しいCPUにしかない機能があったときはそれを使うというような変更をしているため、古い世代のCPUでの評価結果が劇的に悪くなってるみたいですね。
処理性能評価ソフトをアップデートした理由
では、どうしてバージョン10にアップデートしたんだという理由ですが、それも問い合わせ(というか文句)の回答として書いてありました^^;
といっても、バージョン10の変更内容に書いてあることから想像できるかもしれませんね。
理由は以下のとおりでした。
- 新しいCPUに追加された機能を使っていなかったから
- 最近使われなくなった処理を性能計測に使っていたから
- それによってCPUベンダーやユーザから問い合わせがくるようになっていた
新しいCPUに追加された機能を使っていなかったから
1つ目ですが、CPUの処理性能を高くするために頑張ってCPUの構造を変えたのにその機能を使わずに処理性能を計測されたら、なんか、ずるいって思いますものね。納得です。
最近使われなくなった処理を計測に使っていたから
そして、こちらの理由も納得ですね。だれも使わない機能を実行したときの処理性能を比較されても参考にならないですよね。
処理性能を調べるときは比較してみれば良い
では、今まで調査した結果が無駄になるのかっていうと、そんなことはなくて、自分の使ったことのあるCPUの処理性能の数字と比較してみれば、処理性能の差がわかります。もちろん相対関係も変わってますが・・・
例えば、今持っているパソコンがCF-N10(CPUは i5-2540M) で、次に買おうかと迷っているパソコンがCF-NX2(CPUはi5-3340M) のとき、処理性能はどれくらいなんだろうって思ったとします。
PassMark バージョン9 のときは、
今持っているパソコンのCPUスコア:3780
買おうと思っているパソコンのCPUスコア: 4248
4248 ÷ 3780 = 1.12倍 で1割ぐらい速くなりそう。
で、結構上がるんじゃない?って思うと思うんですが、新しくバージョン10になったCPUスコアは次のようになります。
今持っているパソコンのCPUスコア:2245
買おうと思っているパソコンのCPUスコア: 2753
2753 ÷ 2245 =1.23倍 で2割ぐらい速くなりそう?
いずれにしてもパソコン買い替えたらどれぐらい処理が速くなりそうかわかるのではないでしょうか?
1割と2割って結構違うって意見もありますが、CPUの設計だけでなく、メモリとかストレージなどの構成の違いによっても実行速度は変わりますし、どのアプリを実行するかによっても実行速度は変動します。
もともとが大体の目安として使うものなので、おおらかにまあこれぐらい良いかとの認識で良いのではないでしょうか?
(といいつつも自分の持っているパソコンの処理性能が軒並みガクッと下がって、悲しんでる僕がいます)。
まとめ
この記事では、CPU処理性能の比較サイトPassMarkの評価結果が2020年3月に激変した理由をしらべました。
今まで評価に使っていたベンチマークソフトをバージョンアップしたことが原因でした。
そしてバージョンアップした理由としては、
- 新しいCPUに追加された機能を使うようにしたこと
- 計測用の処理内容のうち、古臭くなった処理を流行りの処理に修正した
ということです。
年代の新しいCPUのほうがより処理性能が高くでるような結果になりますが、それがより実際にパソコンを使うときのCPU処理性能に近い結果なのでしょう。
これからもCPU処理性能比較にはPassMark がひきつづきおすすめですね。
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